火山灰にも負けず
三十度を超える陽にも負けず
静かに黙々と
登る者たちがいる
新燃岳が煙をあげても
子どもたちは笑いながら壁を見上げる
手のひらには白いチョーク
目の奥には火より熱い光
登れず泣く子に
そっとアドバイスを送る者あり
登れた子には
静かに拍手を送る者あり
誰かと比べず
誰かを押さず
登るという行為を
ただまっすぐに信じている
その姿に
大人たちは忘れていた何かを思い出し
また、登る気持ちになる
外は灼熱でも
ここには風が吹く
人と人のあいだに
壁と心のあいだに
今日もまた
新しい一手が生まれる
…とか言ってたら、自分は2手目で落ちた。
扇風機の風向きが悪かった。
あと多分、火山の磁場。
うん、絶対そのせい。