湿り気の奥

 

■ 山の中、湿り気がまとわりつく。

 

蝉の声が耳を塞ぎ、汗が皮膚に焼きついて

呼吸の仕方ひとつで、気持ちが崩れそうになる。

でも、山は何も言わず

逃げても、向き合っても、ただ見てくる。

湿り気の向こうに、

まだ知らない自分がいる気がした。


 

■ 壁の前で、心があらわになる。

 

8月のマンスリー課題、始まりました。

登るたび、身体が本体が剥き出しになる感じ。

うまく登れなくても、それが今の全部。

他人の目じゃなくて、自分の音に耳を澄ませば

鼓動、息遣い、シューズが壁にぶつかる音

気づかなかった「クライミング」が

そこにあった。


 

■ たとえば夜、誰もいないジムの空気の中で。

 

シャッターを開ける。

むわっと立ちこめた空気に、

寝起きのような夏の残り香が混ざってる。

誰もいないはずなのに、

気配だけが、そこにある。

音もなく、確かに息をしてる。

まだ見えないけど、

このジムの奥で、なにかが目を覚まし始めてる。

 

 

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