梅雨が明けた。
重たい空気がふっと抜けて、蝉が鳴く少し前。
それは、「登れる季節」が始まる合図じゃない。
「根を張る季節」が始まったってこと。
ジムの空気は、静かに熱い。
湿度でホールドが滑る。
指皮もすぐに終わる。
登っても、登っても、記録は残らない。
でも、今登ってる人が、秋に実る。
この時期のジムは、ちょっと特別だ。
目立つことが何もないから、目に見えないものが育つ。
大宮高校の山岳部もモチベーション高め。
新入部員も慣れないながらもひたむきに登っている。
飛んだ。
ユータは、南アフリカ ロックランズへ。
2ヶ月のクライミングツアー。
羨ましい。。。
出発直前、荷物が重量オーバーになって、
こっそり準備してた“ある物達”は泣く泣く残置
とある計画は飛んだ。
ユータが飛んで、何かも飛んだ。
プレスファクトリーがすすめる、夏のクライミング
1. 登れなくても、登りに来る。
登れるかどうかじゃなく、登りに来ること自体がもう根になる。
湿度も汗も不快感も、ぜんぶセットで、夏。
2. 課題にこだわらない。
難易度でも完登でもない。
“今日はどんな身体だったか”を感じて帰る日があってもいい。
3. 基礎ムーブを、今こそ丁寧に
細かい足使い、ヒールの精度などの見直し。
「できてたつもり」の技術を、今一度見つめ直す時間に。
動きが雑なのか、脳が溶けてるのか分かんない夏。
秋の爆発は、地中から始まってる。
秋、岩が乾いて、風が軽くなって、手が吸いつくあの感じ。
それは偶然じゃなく、夏に潜ったぶんだけ芽が出る。
はっきりとは見えないけど確かな登りの準備。
地上の熱、地下の静けさ。
梅雨が明けて、夏が来る。
空は青くて、セミがうるさくて、ジムは暑い。
でも、そこで静かに登る人がいる。
目立たなくても、
焦らなくてもいい。
今、自分の登りに潜る。
プレスファクトリーで、静かに根を張っておこう。