人は物事を分類したがる生き物
無意識に分類して名前をつけグループごとに分ける
はい、味を占めたように始まります。
プレスファクトリー流
クライミング講座
さて今回はこのブログでも使っている
“クライミング”というワードや”ボルダリング”というワードについて解説、そして分類していきます。
この記事を書くにあたり、参考にしようと色々と読み漁りましたが
みんな同じところで悩んだり
どこのジムスタッフでも同じ経験していたり、と面白い発見もありました。
知恵をお借りしつつ、プレスファクトリー流で
初心者の方でも情報過多にならないようにサクッと説明します。
あくまでもサクッといくので古き(良き)クライマーの先輩方が見た時には
「おい、ここはこーだろ!お前何、語っちゃってんの?」と言いたくなるかもしれませんが
そこは初心者や今更聞けない方達むけにプレスファクトリー流でお送りしてますので
ご理解よろしくお願いいたします。
分類せずにはいられない
エルヴィス・プレスリーの名曲
「好きにならずにはいられない」みたいなタイトルで始まりましたが
全く関係はありません。
先程”どこのジムスタッフも同じ経験をしていたり”と書きましたが
これ実際に店主も何度も経験している事なので共有します。
スタッフ役A「クライミングの経験ありますかー?」
初心者の役B「クライミングの経験はあらへん、せやけどボルダリングは何べんかした事はあんで」
スタッフ役A「え?」
初心者の役B「え?」
ここにAの思う”クライミング”と
Bの思う”クライミング”に認識の相違があることがわかります。
これは別にBが悪いともAが正しいとも言い切れません
なぜなら言葉は時代によって変化していくものだから
認識した時代で違いが出てきてもしょうがないのです。
“ボルダリング”という言葉が10年前でさえ一般的でなくクライマー間でしか通じないので
お食事会A「ご趣味は?」
お食事会B「ボルダリングしてますぅ」
お食事会A「は?」
お食事会B「あ、、、クライミングしてますぅ」
お食事会A「クライミングってロッククライミングのこと?」
お食事会B「そですぅ」
こんな会話がよく繰り広げられていました。
現在ではオリンピック競技になったこともあり
“ボルダリング”という言葉は一般的に認知されましたが
それ故に次の問題が生まれます。
言葉ばかりが知られ”ボルダリング”とそれ以外の”クライミング”の違いが分からない方も増えていくということ。
数年前、某市が複合機能ビルを建設しそこの外壁にクライミングウォールを設置
マイナースポーツに公共が絡むことは愛好家としても嬉しいものですが
ビルができる前、建設計画段階の頃に新聞に載った文章に
“高さ15mのボルダリング壁”と書かれていたのです。
リードクライミング壁と間違ってるんだろうと、よくある事と流して終わりましたが
今思えば当時の自分たちの力不足とも思える気がしてきたのです。
大袈裟に聞こえるかもしれませんが
クライミングというものを発信できる場所に携わりながら
県内でさえ浸透させることの出来ていない自分の力不足なんではないかと。
それじゃぁいかんと。それじゃいかんと前回のようなボルダリングの歴史という記事を書きました。
少しでも理解や興味を持つ方が増えてくれると信じて
今回も進めていきます。
まずは今回の全体の分類を見ていただき
細かく見ていこうと思います。
A「ではここから、岩を登る我々の行為はロッククライミング」
B「せやな、でも”クライミング”っていうのが一般的や、うちの店主もクライミング、クライミングいいがちやろ?」
A「何を登るのかが一番重要な部分なのに”ロック”を取り除くなんて、それがROCKっすね。」
B「。。。。」
A「そこからフリークライミングとエイドクライミングに分かれましたね。前進?にシューズ、チョーク以外の道具を使うかどうか?」
B「ここは登るのにって書くと誤解されがちやから敢えて前進という言葉使用したんや。安全確保の為にではなくて前進の為にってのが大事や。前進に縄ばしごなどの道具を使用しつつ登り進むのがエイド(援助 補助)クライミングや。そして前進に為にフリー(道具なし)で登るからフリークライミングやな。フリークライミングは1950年代のヨセミテで始まったとされ、その中にはパタゴニアやブラックダイヤモンドの創業者イヴォン・シュイナードもおったんやで」
A「フリークライミングから枝分かれして、、、、次に、、、、空白?空白でましたやん。」
B「そうなんや、これが今の時代の悩めるポイントや。オリンピック競技にもなり知名度が上がった事で人工壁のクライミングと自然の岩のクライミングが別々のものと考える人が多くなったんや。人工壁を登る方を”スポーツクライミング”と言い出したのはいいんやが、そこと分類する為の言葉がみつからない。。。無理矢理にでもそこに名前をつけようとすると。。。。」
A「人工壁がスポーツクライミング、、、自然の岩なら、、岩を登るから、、、ロッククライミング。あー!逆戻り?」
B「せや、そうなってしまうんや、人工壁のクライミングもロッククライミングの一部として位置付けされてるからここが逆転してはおかしい事なんや」
A「そしたら俺も一緒に考えたるわ。外でやるからアウトドアクライミング。室内のインドアクライミングで分ければええやないか、もうそれで決まりやないかぁ。」
B「いやな俺もそう思ってんけどな。オカンが言うにはな宮崎県立体育館は外に人工の壁があるやろ?世の中にはそういう施設も多いから場所によっての分類はダメやー言うねんな。」
A「ほなその考え方は違うかぁ。」
B「それで悩みに悩んでプレスファクトリー流に出した答えがこれや」
A「革命来ちゃった」
B「もうこれやこれで行こう。岩を登ることが前提のクライミングの中で、まぁそのトレーニングの場として発展し、革命を起こした。きっと100年後のクライミングの歴史本にはこう書かれるはずや”人工壁を登るスポーツクライミングは大なり小なり大会なんかも昔からありその勢力を増していった。そして東京オリンピック2020で正式種目になったことにより確固たる地位を確立した”と。」
A「勢力とか言うと怖いわ、反乱とか起きたような言い方ですやん。ただ単に競技として進化して枝分かれして出来た言葉ですやん。確かに競技として人工壁を登るクライミングも1980年代後半にリードクライミングの、1990年代後半にボルダリングの競技会が開かれるなど発展し続けて来ましたもんね。東京オリンピックで”スポーツクライミング競技”としてその言葉が使われたので今後この言葉が一般的になっていくのですね。」
B「板垣死すとも自由は死せず!!」
A「はい次」
A「お、ここでようやくボルダリングが出て来ましたね。人工壁を登る場合も自然の岩を登る場合も同じ呼び方というわけですね。」
B「せやな、岩を登ることが大前提の為そのまま引き継がれる。高さ1m〜5mのボルダー(大きな岩)を登るボルダリングと安全確保の為にロープを使い岩壁を登るルートクライミングに分かれる。人工壁の場合はボルダーや岩壁が人工壁に置き換えられる。」
A「岩側と人工壁側に違いが出て来ましたね。」
B「そやな、まずは岩側の解説していこうか。ここも色々言葉選びに悩むんやけど、登って終了点まで行き、下降まで1本のロープ(50〜70m)で長さが足りるルートがシングルピッチクライミング、それとは別に1本のロープ以上の長さが必要なルートを登ることをマルチピッチクライミングと呼ぶんや。もちろん長さが足りないからといって沢山ロープを持っていく訳じゃないで。aが登りbが下で安全を確保(ビレイ)し、上でaが安全を確保(ビレイ)するポイントに来たら今度はbが登る。それを繰り返し200mでも800mでも登っていくんや。」
A「なるほどー。確かにそれだと競技向きではないので人工壁側にないのも納得です。敢えていうなら人工壁側はシングルピッチのルートクライミングしかないということですね。それなら分類の必要なしと。」
B「今回の説明、色々調べたり表作り直しで疲れたわ。もう帰りたい。」
A「心の声ダダ漏れですよ!!次でラストなんで後一踏ん張りっすよ!」
B「ほな、人工壁側やな、ルートクライミングはロープによる安全確保をすんのやけどその支点の違いや。トップロープはトップ(終了点)またはその付近で予め支点を作ってもう1人が下で安全確保(ビレイ)して登るクライミングや。そしてリードクライミングは登りつつ支点を確保しながら登るクライミングや。作るっていっても1から構築するわけや無いけどな。クイックドローと呼ばれるもんにロープをかけながら登り、落下時にそこが支点となるわけや。もちろんここにも安全確保(ビレイ)をしとるもう1人がいるわけやけどな。」
A「さささ、赤文字のオリンピック、スポーツクライミング競技の3種目がここで揃いましたね。」
B「岩側は1つ前に人工壁側で説明したものが岩ってだけやから省略すんわな。残すはスピードクライミングやな。まぁ言葉のまんまや、トップで支点を作っといてスピードを競うクライミング。実はスピードクライミングも歴史は長いんやけどオリンピックの3種目に入るまでは多くのクライマーも正直、色眼鏡で見てたんや。もちろんスピードを専門にしとる選手もいたがロシアとかごく一部の国の選手だけやった。ところがどっこい3種目の中に入り込んだもんやから慌ててみんな練習したんやで。日本は日本で国内にスピードの壁自体がなかったから慌てて作ったり大変やったんや。」
A「まさにスピード勝負やったんですね?」
B「。。。。。。。でも次回のパリオリンピックはスピード単独種目と、リードとボルダリングの2種目に分かれる事になったんやで。」
A「それはそれで日本にもスピード専門の選手が出てくる可能性があるってことでいいんじゃないでしょうか。ってことで終了ですかね?」
B「そやな。長すぎて余計に複雑に感じた人には申し訳ない。でもなウチのおかんが言うにはな、宮崎の遠慮がちな県民性もわかるけどな、宮崎のクライミング界にもちゃんと発信する人がおらないかんー言うねんな。せやから、まぁ最近歴史だの分類だの書いてるんやけどな。まぁ今回も全体図でも見直して何となく理解してもろたら嬉しいわ。」
A「そうですね。ただ登るだけのクライマーじゃなくて歴史や文化、マナーも理解してるクライマーが宮崎にも増えるといいですもんね。」
B「余談なんだがその”クライマー”って言葉もな、ボルダリングしかしない人のことを古き(良き)クライマー達はそう呼びたがらないんや。」
A「じゃぁ何と呼ぶんですか?」
B「ボルダーからとってボルダラーと分類されがちや。」
A「うん、もうそこはクライマーでいいでしょ。」
B「そやなぁ大きい目で見れば人口壁でも岩登りでもクライミング、それぞれ楽しみ方がある。そこに気づけるかどうかの違いやな。そしてそれらを楽しんでる人達で仲良くせな。取り敢えずまだクライミングに触れたことがない人は飛び込んで体験してみるのがええ。そこから自分に合ったクライミングを探してみるのもいいかもしれんなぁ。そしてなぁ全てが宮崎でできるわけやないけども、ある程度の協力そして相談できる場所があるって話や。」
A「え?どこですか?」
B「それがプレスファk」
A「はい終了!!」
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長い話にお付き合いありがとうございました。あくまでもプレスファクトリー流に解説しましたがいかがだったでしょうか?なんか分かりづらい点などありましたらお気軽にお聞きください。
ふざけてはいますが間違ったことは言ってないかと思います。万が一あった場合はこっそり教えてください。
ちなみにこれだけあるクライミングの中で唯一ボルダリングだけが1人で気軽にできるクライミングでもあります。
その気軽さから近年のクライミングブーム火付け役、延いてはクライミング全体の人口を増やしたのかもしれません。
そんなボルダリングができる場所が宮崎にもありまして、
それが
プレスファk
A「はい、終了!!」